「オプション取引の結果は戦略次第」
「戦略が8割」という言葉をあなたは聞いたことがありますか?
この言葉は戦略の善し悪しで結果の8割が決まってしまうことを指す意味です。
実はこの言葉はオプション取引にも当てはまり、オプション取引の成功と失敗は各トレーダーがどのような戦略を採用した上で相場と関わるか次第なのです。
しかし、この話は理論では理解できるとは思いますが、オプション取引は一見すると複雑なので戦略をどう組めばよいのかわからないかもしれません。
それにそもそもの話、オプション取引には「買い」と「売り」という異なる立場を選べる上に投資スタンスも短期、中期、長期に分かれます。当然、これらを考慮しないとオプション取引の成功は見込めません。
要するにオプション取引の世界で戦略を組むという行為は決して簡単ではないのです。
そこでこのページではオプション取引の戦略を考える際の大前提や「買い」と「売り」における効果的な戦略の立て方について現役のオプション取引のトレーダーである管理人がをまとめてみました。
このページの目次
オプション取引で戦略を考えるコツ
オプション取引において適切な戦略を選択するには、その時々における適切な価格、限月、先行き、取引枚数などの要素ごとに分けることも重要です。
その上で実際にオプション取引と関わる際には戦略の善し悪しを考える際には自分のトレーディングスタイルとの相性も考慮することが欠かせません。
短期的な投資を考えている投資家が長期的に保有しないと利益が出ない投資戦略を選択した場合、相場と向き合っているだけでもストレスを抱えることになります。そのため、損切りを行う確率が非常に高くなります。
もちろんその反対もしかりで、長期を前提にオプションに取り組むなら長期保有を前提とした戦略がベスト。このように採用する戦略は自分のトレーディングスタイルに合わせることが重要になります。
そして自分のトレードスタイルにあった戦略を採用できれば自ずとオプション取引の成功率は格段に上がります。
買いで活用したい手法一覧
オプション取引を買いでエントリーする際にも、多くの手法があります。オプション取引の買いとはプットとコールの2種類があります。
買いの共通の特徴とは?
買いと売り(上昇と下落)のどちらでも思った方向へ相場が推移した際に収益が大きくなることが買い取引の特徴です。
この時重要なことはコールの買いもプットの買いも、同様に買いという表現で上昇と下落を収益として狙うことになります。
そしてその際に問題になるのがどれだけリスクを低減させながら買いの武器である収益率の高さを拡大させるかということになります。
そのためにも買いでとれる選択肢についてはきちんと把握しておかなければなりません。
またそれぞれの手法がどのタイミングで有効なのかということについても理解を深めて置き、相場に応じて最適な選択を取るのが欠かせません。
また実際に売買に取り組む際には短期、中期、長期と取引を行う時間軸によっても、取れる手法が異なっていくため、それぞれに合わせた戦略を採用することは欠かせません。
特にこの周期の念頭は欠かせません。そこでここからは今までの話を前提に置き、買い取引における「短期」・「中期」・「長期」でおすすめの取引手法をそれぞれご紹介していきます。
短期的な取引向きの手法
買い取引で短期的に収益を上げる際に一般的なものとして期先なものをロング・ストラドル戦略にて買いを入れる方法があります。
短期的に取引を行う場合は期先を利用するものが一般的ですが、その中でも、ロング・ストラドル戦略で利用されるものは時間的な価値の減少(タイム・ディケイ)が加速する傾向にあります。
もちろん期先のものを利用しているので時間的価値の減少の影響を最も受けやすいためですが、基本的には長期間保有するものではないため、長期間にわたり保有すれば自ずとその影響を受けるようになります。
したがってこの場合は売り手のほうが有利になってしまう側面が強いので長期間保有せず、短期的に取引を手仕舞うことにより、損失を最小限に抑えることは重要です。
そしてこれを前提にした上でストラグル戦略の特徴でもある上昇と下落の両方で収益を発生させることができるので高い成果の実現が期待できます。
中期的な取引向きの手法
中期的な期間を前提とした買い取引で収益を確保する際に重要になるのは、時間的価値の減少(タイム・ディケイ)を抑えつつ相場の変動で収益が獲得できるような戦略です。
そしてその中で最も代表的な戦略の1つにブル・スプレッド戦略があります。この戦略の特徴は買いと売りを同時に組み合わせることになります。
両方を利用する以上、利益も損失も限定的になります。特に損失に関しては時間的価値の減少(タイム・ディケイ)によって最大でもプレミアム分の損失などに限定される特徴があります。
これらを考慮すると、時間的価値の減少の影響を押さえつつ、相場の変動にもある程度対応できるため、中期的な投資を好むトレーダーに向いている戦略であるといえます。
長期的な取引向きの手法
オプション取引における長期的な取引というと、満期日近くまで保有していても時間的価値の減少(タイム・ディケイ)の影響を大きく受けず、相場の変動における収益の確保に繋がる戦略を採用するのが王道になります。
この時間的な価値の減少はオプション取引には必ず絡んできますが、オプション取引と長期スタンスで関わる際にこれを上手く管理することが欠かせません。
そして長期スタンスでオプション取引と関わる際に有効な戦略の1つにロング・リスク・リバーサルがあります。
この投資戦略は取引の期間において時間的価値の減少が進んでしまった場合でも、そのリスクを最小限に抑えられるという特徴があります。
つまりこの戦略を採用すればリスクを低減させつつ、相場が変動すれば収益を確保することができます。その結果として比較的安全なスタンスで長期投資と関われるのです。
売りで活用したい手法一覧
オプション取引と売りのスタンスで関わる際には、基本的にプレミアム分の収益をいかに安定的に獲得するかが問題となります。
特にオプション取引における売りは買いと比べると収益はそれほど大きくなりませんが、確実に収益を積み重ねていく取引として人気があるという側面もあります。
これらの点を前提にこれから「売り」という立場でオプション取引と関わる際の大前提を「短期」・「中期」・「長期」の順番に分けてご紹介していきます。
短期的に収益を確保するには
売り取引においてはプレミアムを増やすことが最大の目的となることから時間的価値の減少はそのままオプション取引の利益につながります。
したがって短期的な取引を行うのであれば時間的価値が十分に減少した期近な商品の取引のほうが向いています。このケースで有効な手段としてはショートストラングル戦略があります。
この戦略では権利行使価格を離すことによってより有効な値幅を増やすことができるので、収益確保がやりやすくなります。まさに大きな値動きが見込めない短期取引にぴったりです。
中期的に収益を出すには
オプション取引の売り戦略で中期的に収益を出すためには時間的価値の減少を利益としつつ、相場の変動にある程度対応できる状態でなければなりません。
そしてこのケースで有効な戦略になるのが、レシオ・プット・スプレッド取引を利用した取引手法です。
レシオスプレッド取引では時間的価値の減少を収益とし、一方方向への変動には損失を限定させる効果があります。そのため、バタフライ戦略よりもプレミアムが獲得しやすい傾向にあります。
この取引を行う際は現在保有しているポジションとの組み合わせも重要になるので、その都度相場を確認する必要がありますが、安定した相場においては比較的安全に取引を行うことができます。
長期的に収益を出すには
オプション取引における売り戦略で長期的に収益を出すためには限られたポジションを形成しなければなりません。
さらに基本的には買いオプションとの組み合わせでなければ収益を出すことが難しい取引内容になります。
この前提がある中でですが、長期的に収益を出すポジションとしてお勧めなのはショート・アイアン・バタフライ戦略です。
この戦略ではショートストラドル取引とロングストラングル取引を組み合わせ上でポジションを守ることを目的にオプション取引と関わる事になります。
そのためショートストラドルの頂点にあたる部分が時間的価値の減少に伴って拡大していくタイミングで最大の収益を狙えます。
つまり、相場が長期間変動しないときが最大のチャンスなのです。
売り手法では数少ない長期的な視野で収益を出せる戦略である上に相場が膠着している際には大きな収益を狙うことも可能なのでこの手法は知っておくべきでしょう。
戦略だけでは勝てない
これまで紹介したようにオプション取引における投資手法としては様々な戦略があり、その地点での相場の流れや各投資家の趣向によって適切な戦略が変わるのは言うまでもありません。
しかなしながら、そういった戦略の構築や戦略の行使で勝てるほど相場は甘いものではありません。それにむしろ当初の戦略通りにならない相場の方が多いくらいです。
したがってオプション取引と関わる際にはその相場には違う戦略のほうがマッチしていたということが多々あります。
そのため取引を繰り返しながら相場とマッチした手法を選んでいくことが重要になります。
また戦略以外にも取引を行う上での経験や資金を守る工夫や発生した収益をしっかりと現金化していく事や他の商品や取引の動向を見ることもオプション取引の成功には欠かせません。
逆にこれらができないとどんなに緻密な戦略を組んでもオプション取引では勝てないのです。
ちなみにここまでの話を耳にして自力でオプションに勝つのは厳しそうだ、と思いましたらオプション取引のプロの手を借りる、という選択もあります。このオプションのプロの詳細が気になりましたら以下のページをどうぞ。