5分で分かる投資顧問業協会の概要と役割
最近利用者ともに会社数が増えている投資顧問業者。その投資顧問業者各社を取りまとめているのがこれから紹介する投資顧問業協会です。
この投資顧問業協会は非常に重要な役割を担っていますが、投資顧問業協会は何をやっており、どの程度の会社が協会に加入しているのかはあまり知られていません。
そこでこのページでは投資顧問業協会は何者であり、どんな役割を担っているのか、そして会員企業数はどの程度なのか等について見ていきます。
ざっとでも目を通しますと投資顧問業協会の役割や担当業務、そして教会に加入している会社の中でおすすめの会社がどこなのかが分かります。
このページの目次
日本投資顧問業協会とは?
まずはじめに投資顧問業協会(正式名:日本投資顧問業協会)の創業年度や主な担当業務等を一覧にしてみました。
正式名称 | 日本投資顧問業協会 |
設立年度 | 1987年 |
組織の目的 | 投資顧問業界の健全化 投資家保護 投資顧問業界の活性化 |
主な担当業務 | 自主規制の策定 業界の発展の施策 |
現会長 | 大場昭義 |
会員構成 | ファンド運用業者 投資助言業者 投資代理業 |
ここで一覧にしましたように投資顧問業協会は投資顧問業界全体の健全化と活性化を目的に1987年に設立された組織です。
この目的を果たすために投資顧問業協会は、投資顧問業界全体の自主規制ルールの策定や投資顧問業界全体のPR活動を担当しています。
少し小難しい説明になったので、より端的に表現すると投資顧問業協会というのは、投資顧問業界の風紀委員のような存在です。
ここまでの内容で投資顧問協会の概要についてはなんとなくわかったのではないでしょうか?
そこでここからは投資顧問業協会の現在の会員数や現会長の経歴、そして投資顧問業協会が会員企業に課している規則等について見ていきます。
現在の会員企業数
2017年時点では投資顧問協会への登録会員企業数は751社となっております。この751社の会員企業の内訳はこのようになっております。
会員企業の内訳 | 会員数 |
---|---|
投資運用会員 | 273社 |
投資助言・代理業会員 | 478社 |
この一覧表の中にある投資運用会員というのは、投資家と投資一任業務を結ぶ投資顧問会社のことを指します。こちらは投資顧問会社とはいえ、実態はファンドです。
また後者の「投資助言及び投資代理会員」というのは投資助言業務をメインとしている投資顧問会社の事を指します。ちなみに今取り上げた2種類の投資顧問会社の違いについてはこちらのページでより詳しく取り上げているので、ご興味があればどうぞ。
話が脱線したので戻しますが、2017年時点で金融庁に届け出を出している投資運用業者と投資助言業者の数と各業者の中で投資顧問協会に加入している会社の数はこちらの通りです。
ジャンル | 登録数 (会員企業数) |
---|---|
投資助言代理業 | 985社 (478社) |
投資運用業 | 359社 (273社) |
この表にあるように投資助言代理業に関しては金融庁に届け出を出している会社の約半数。そして投資運用業者に関しては、金融庁からの認可を受けた会社の7割が投資顧問業協会の会員になっています。
これらの数値を見る限り、投資顧問業協会に加入していない非会員企業は実は少数派という結論になります。
理事会の主要メンバーの経歴
次にこれまで見てきた投資顧問業協会はどのようなメンバーで構成されているのかについて見てみます。
そのためにも現在の投資顧問業協会の会長と副会長の経歴をまとめてみました。
大場昭義(会長) | 東京海上アセットマネジメント (会長) |
石川昌秀(副会長) | 明治安田アセットマネジメント (代表取締役) |
松井昭憲(副会長) | ピムコジャパンリミテッド (取締役兼最高経営責任者) |
渡邊国夫(副会長) | 野村アセットマネジメント (CEO兼執行役社長) |
長尾和彦(専務理事) | 元証券取引等監視委員会 (事務局長) |
ここでまとめましたように投資顧問業協会の会長・副会長は、金融業界の重鎮で構成されております
金融や投資の世界の表も裏も知りつくした複数のプロが投資顧問業界の健全化に繋がる規則や諸制度の策定に取り組んでいるのです。
このことからも投資顧問業協会はそこら辺の社団法人やNPO団体とは一線を画するのです。そんな特徴を持つ投資顧問業協会の担当業務についてこれからご紹介します。
投資顧問業協会の主な担当業務
実はこの投資顧問業協会の主な担当業務は、自主規制等の作成によって会員企業の健全化を促進する業務と投資顧問業界の存在感を高める業務の2種類があります。
ここで取り上げた2種類の投資顧問業協会の担当業務の詳細についてはこれからご紹介します。
会員企業の健全化の促進業務
1つ目の会員企業の適正化施策の中心には、投資顧問業協会への自主規制ルールの導入や会員企業に対する指導があります。
具体的な業務の一例としては、電話営業や広告表示のルールの策定や反社会的勢力との対応方針や個人情報の取り扱いルールの明文化などがあります。
もちろんこれは一例であり、代表的な担当業は他にもあり、一覧にするとこういったものが挙げられます。
- 自主規制ルールの作成
- 会員企業への法令順守の研修
- 自主規制の順守具合のチェック
- 会員企業に対する研修の実施
- 協会企業への指導や処分の実施
- 会員企業への監査
ここでまとめましたように各投資顧問会社の健全な運営を促進する業務ばかりです。
その一方でこれから紹介するもう一つの投資顧問業協会の担当業務である「投資顧問業界全体の健全な発展への施策」は、やや目的が異なります。この点をご理解頂くためにこちらについてもまとめてみました。
業界全体の発展のための施策一覧
- 各関係機関向けの意見書作成と提出
- 教育機関における寄付講座の開催
- 広報誌などによる業界全体のPR
- 業界内の統計資料の作成と公表
- 投資関連業界との意見交換
ここで取りまとめました投資顧問業界の活性化に関しては、外部の組織との情報交換や業界全体のPR活動がメインになっています。
具体的には他業界向けにセミナーを開催したり、顧客向けのガイドラインの作成や各機関から来る苦情の対応などがあります。
要するに対外活動ですね。この投資顧問業協会の役割の中には他の業界との折衝や情報交換も含まれる点はあまり知られていないので、しっかりと押さえたいですね。
その他の協会の担当業務
ちなみにここまで見てきた業界の健全化業務と他業界との交流活動以外にもこういった業務にも取り組んでおります。
- 各種の苦情の対応
- 会員企業に対する会費の徴収
- 資格喪失のルールの設定・改変
- 会員の入会・退会・届出の処理
- 投資運用業における経理基準の設定
- その他諸規則・定款の作成
このように投資顧問業協会が担っている業務は多岐にわたるのです。
入会企業に課す代表的な規則
先ほど投資顧問業協会の役割の1つに業界全体を活性化させる規則を設置することがあると言いました。
この規則の設置が重要なのは疑いようがないと思いますが、具体的にはどんな規則を投資顧問業協会は会員企業に課しているのはいまひとつ想像できないかもしれません。
そこでここでは投資顧問業協会が会員企業に課している主な規則を一覧にしてみました。
- 会員企業の内部監査室の設置ルール
- 顧客情報の取り扱い方針の策定
- 社内規則の整備と公正な運用の推奨
- 広告及び勧誘時の留意点のまとめ
- 会員資格の喪失要件
- 内部者取引の防止ガイドライン
- 法令違反行為発覚時の申告手順
- 反社会的勢力との対応方針
どの分野の諸規則も協会内の投資顧問会社の健全化を促進させる内容になっております。
つまり投資顧問業協会の会員企業は、投資顧問業協会から様々な制約を課される以上、会員企業は非会員企業と比較すると健全な運営をしていることが期待できます。
ちなみに投資顧問業協会が会員企業に課す諸規則は原則として自主規制ですが、規則に著しく違反する会員に対しては協会が指導や罰則を与えることがあります。
しかも会員企業の規則違反があまりに悪質なケースでは資格剥奪措置をはじめとした強制的な退会処分を課すこともあります。
投資顧問業協会には罰則の権限も認められている以上、自主規制要綱とは言え、投資顧問業協会が定めた諸規則にはある程度の拘束力があります。
そのため、投資顧問業協会の会員企業各社は協会が定めた諸規則を順守していると考えて問題がありません。
ちなみに今簡単に概要をご紹介した投資顧問業協会の規則のより詳しい詳細が気になりましたらこちらから投資顧問業協会の公式サイトに足を運ぶことをおすすめします。
協会加入のおすすめ顧問特選
ここまで見てきたように投資顧問業協会は業界全体の活性化と協会加入企業の健全化を目的にした機関です。
この点を考慮すると投資顧問業協会の会員企業は非会員企業と比べると格段に安心感が持てます。
とはいえ、投資顧問会社を探す際に投資顧問業協会の会員であるかどうかを逐一確認するのは大変なはず。
そこでこのページの最後に投資顧問業協会に加入している投資顧問の中でおすすめの会社名を一覧にしてみました。
ここで取り上げた3社はいずれも投資顧問業協会に登録をしている投資顧問会社です。
特に一番最初に取り上げた「新生ジャパン投資」は銘柄の的中率が非情に高い会社ですので、最近注目を集めております。
そこでもしあなたが投資顧問業協会に加入している投資顧問会社をお探しでしたら、「新生ジャパン投資」をまずはチェックしたいですね。