株式投資信託の魅力と特徴
株式投資信託って投資商品ってどんな商品なのか分かりにくいですよね。
特にどの程度の利回りが期待でき、税金制度はどうなっており、株式投資や投資信託とは何が違うのかなんてことはあまり知られておりません。
はっきり言ってしまうと、分かりにくい点が少なくない株式投資信託ですが、ポイントさえ押さえれば株式投資信託がどんな投資商品であり、おすすめのファンドの選び方まで分かります。
しかし、株式投資信託は複雑な点もあるので、「肝心のポイント」を押さえること自体が簡単ではないのも事実。
そこでこのページでは株式投資信託がどんな投資商品であり、どんな基準でファンドを選べばよいのか。
そして税金対策のためにできる事は何があるのか?、といった株式投資信託周りの諸情報を現役FPの筆者が網羅的にご紹介します。
なお、このページでは株式投資に関しては基本的には触れませんので、株式投資信託ではなくて株の売買に興味があるのでしたらこちらをどうぞ。
このページの目次
株式投資信託(ETF)とは?
まずはじめにご紹介するのは、「株式投資信託が何者であるのか?」という株式投資信託の基本的な概要についてです。
今回取り上げる株式投資信託の概要を簡単にご紹介しますと、株式投資の要素を持った投資信託(ファンド)となります。
どうして株式投資信託は株式投資の要素を持った投資信託(ファンド)になるかというと、株式投資信託の実態は株式を組み込んだタイプの投資信託となっているからです。
この「株式を組み込んだ投資信託」とはどんなものであるのかご理解頂くために株式投資信託という投資商品の概要をまとめてみました。
投資対象に株式が入る
この見出しにありますように株式投資信託は基本的に株式が投資対象の全てまたは1部に組み込まれております。
つまり、端的に言ってしまうと投資対象に株式が少しでも含まれる投資信託は株式投資信託に分類されるのです。
この「株式が一部でも含まれれば株式投資信託になる」ということを聞くと「株式が投資対象にならない投資信託なんてあるの?」と疑問を抱くかもしれません。
もちろんこの疑問自体は真っ当ですが、普通にあります。
現に株式が一切含まれない投資信託(ファンド)は公社債投資信託と言われております。
このタイプの投資信託(ファンド)は株式投資信託とは種類が異なる投資商品と見なされており、主な投資対象は国債や債券になっています。
つまり、逆を言えば、株式投資信託というのは、公社債投資信託に分類されない全ての投資信託(ファンド)であるのです。
この点を考慮すると、銀行や証券会社で販売されている投資信託商品の大部分は株式投資信託に分類されると考えてしまって問題はありません。
公社債投資信託よりも高リスク
さて先ほど株式投資信託というのは公社債投資信託に該当しない全ての投資信託(ファンド)だと説明したと思います。
この投資対象以外にも株式投資信託と公社債投資信託には大きな違いがあり、その中でも特に際立つのがファンド商品としての変動幅(リスク)の大きさ。
実は投資信託の変動幅(リスクの大きさ)はどんな種類の投資商品に投資するかで決まります。
その点株式の変動幅は債券や公社債よりも高いという特徴があります。
このことを念頭に入れると株式にも投資をする株式投資信託と投資対象を債券や公社債に限定する公社債投資信託。
どちらのファンドの変動性が高いのかは言うまでもないですよね。
当然債券や公社債よりもリスクが高い種類の投資商品にも投資を行う株式投資信託になります。
この「公社債投資信託よりもリスクが高い」という点は、株式投資信託を利用する際に絶対に押さえておきたいポイントの1つになります。
上場株式との損益分散が可能
冒頭で株式投資信託は株式投資の要素を持った投資信託だということをお話ししたと思います。
この点において特にポイントになるのが株式投資信託で発生した損益は上場株式への投資で発生した損益と合算(損益通算)できることです。
つまり、株式投資で損失が発生した場合は、その損失額を株式投資信託で発生した利益と相殺出来ますし、その逆も然り。
その結果としてどちらかで損失が出ていれば、税金の対象になる課税対象金額は少なくなります。
このように株式投資と株式投資信託は異なる種類の投資商品ではあるものの、損益通算ができるので、非常に相性の良い投資商品なのです。
期待利率の見通しはどの程度なのか?
ここまで株式投資信託がどんな投資商品であるのかについて見てきましたが、期待利回りについては見てきませんでしたよね。
そこでここからは、株式投資信託という投資商品ではどの程度の利回りが期待できるのかについて考えてみます。
一般的には3%前後
先ほど株式投資信託というのは実態は通常の投資信託だとお話ししたと思います。つまり、株式投資信託の期待利回り一般的な投資信託の期待利回りとそうは変わりません。
ちなみに投資信託の利回りはどの程度かと言いますと、年利ベースでせいぜい3%前後。
つまり10万円を投資した場合は年間で3千円程度のリターンが発生する計算になります。
一部のETFの期待利回りは4%以上
先ほど株式投資信託の期待利回りは3%程度という話をしましたが、これはあくまで通常の株式投資信託での話です。
株式投資信託の中でも「ETF」という名称で親しまれている上場投資信託に分類されるファンドに投資をする場合は4%以上の利回りも狙えます。
上場投資信託(ETF)って何?
そもそもこのETFって何かといいますと、「Exchange Traded Funds」の略称であり、日本語に訳すと上場投資信託です。
この上場投資信託は、投資信託という単語の冒頭に「上場」があるように、株式市場に上場している投資信託(ファンド)です。
この上場投資信託に分類されるファンドは通常のファンドと異なり、取引所で売買できる以上、株式銘柄のようにリアルタイムで価格が変動します。
手数料と利回りが異なる
この上場投資信託(ETF)は通常の投資信託と比較すると信託報酬が少ない上に一般的な株式投資信託よりも高い運用利回りを目標にする傾向があります。
その結果として上場投資信託(ETF)の中には、年間の利回りが4%を超えるものも少なくありません。
このように上場投資信託(ETF)は基本的な構造自体は一般的な株式投資信託と同じですが、見込まれる利回りや手数料の額が全く異なるのです。
この点を考慮すると、もしあなたが通常の株式投資信託よりは大きな利回りを狙えるファンドをお探しでしたら上場投資信託(ETF)が非常におすすめです。
他の投資商品にはない良し悪し
ここまで株式投資信託の特徴と利回りについて見てきましたが、株式投資信託を利用するメリットやデメリットについてはまだ見てこなかったと思います。
そこでここでは株式投資信託を利用するメリットとデメリットを「メリット⇒デメリット」という順番でご紹介します。
メリット
まず最初に取り上げる株式投資信託を利用するメリットにはこちらの3点があります。
- 運用を委託できる
- 安く始められる
- 大きな損失リスクがない
実は株式投資信託は投資信託に分類される以上、他の投資信託と同様に資産運用会社が運用を担当します。
コスト面も時間面も負担がわずか
株式投資信託は運用自体を資産運用会社に委託できる以上、他の種類の投資商品と違い、株式投資信託は銘柄を買った後は放置することが出来ます。
要するに株式投資信託というのは、時間的な負担を最小限にしながら取り組める投資なのです。
しかも株式投資信託はファンドの1種である以上、投資に着手する際に求められる初期資金額は1万円程度。
この点を考えると、他の種類の投資商品と比較すると投資資金が限られている人にとっても手が出しやすい投資商品に分類されます。
損失リスクも実は小さい
ちなみに気になる株式投資信託の損失リスクは、他の投資商品と比べると非常に低い水準に収まっております。
なぜなら株式投資信託の期待利回りは3%程度であるため、基本的には最大損失額は投資資金の5%以下に収まるからです。
もちろん、株式投資信託には銀行預金のような元本保証がない以上、流石に損失リスクがゼロとは言えませんが、最大損失額が元手の5%以下と考えると他の投資銘柄と比べるとはるかにリスクが低い投資商品と言えます。
このリスクの低さは株式投資信託ならではの持ち味なので、キッチリと押さえておきたいですね。
デメリット
ここまで株式投資信託のメリットについて見てきましたので、次は株式投資信託のデメリットに移ります。
そこでまずはじめに特に際立つ株式投資信託の2つのデメリットを一覧にしてみましたので目を通してみましょう。
- 期待利回りが低い
- 手数料が高い
まず最初の期待利回りの低さはその通りです。
先ほどご紹介しましたように株式投資信託の期待利回りは3%~4%なので、資産を増やすのには向いておりません。
それに株式投資信託は運用を外部に委託する種類のファンド商品に分類される以上、毎年信託報酬といった手数料の支払いが求められます。
こういった期待利回りや手数料を考えると株式投資信託は決して割の良い投資商品とは言えません。
そこでもしあなたが投資で資産を大きく増やしたいのでしたら、株式投資信託以外の投資商品を購入するのが賢明です。
税金制度はどうなっているの?
次にこれまで特徴をご紹介してきた、株式投資信託の税金制度について見てみようと思います。
課税率は原則20.315%
この株式投資信託の税金制度を考える際にポイントになるのは、売却益に課される税率と配当金に課される税率の把握です。
実はこの売却益と配当金における課税率は、先ほど取り上げた見出しにあるようにそれぞれ20.315%。
その結果として分配金が発生する度にその金額の20.315%が税金として取られます。その上、購入した株式投資信託を手放した際に利益が発生するとその金額の20.315%が税金負担の対象になってしまいます。
この課税率に関して分配金も売却益も原則として20.315%であることはまずは押さえたいですね。
税金の申告方法は利用口座次第
先ほど株式投資信託で課税される税金のレートは分配金も売却益も20.315%であることをご紹介したと思います。
この課税率自体は変わらないのですが、「源泉徴収ありの特定口座」、「源泉徴収がない特定口座」、「一般口座」のどれを利用するかで税金の申請方法が変わります。
それぞれのケースでどのように税金の申告手順が変わるのかについてはこれから1つずつご紹介します。
源泉徴収ありの特定口座
こちらの場合は利益が発生する度に証券会社側が発生した利益の中から税金額を差し引いてくれるので、自分で申告する必要はありません。
ただし、自動的に20.315%という税率が利益に課されるために本来であれば確定申告が不要な少額の利益しか発生しないケースでも税金が取られてしまいます。
そのため、発生する利益額次第では「源泉徴収ありの特定口座」以外の証券口座を利用した方が良いかもしれません。
特定口座(源泉徴収無し)
その一方で特定口座(源泉徴収無し)では、証券会社から税金が天引きされる必要がありませんのでご自身で申告が求められます。
もちろんこの「自分で税金の申告が必要」、ということを知ると、めんどくさそうに感じるかもしれませんが、その点の心配は不要。
なぜなら、証券会社が課税対象になる利益を計算してくれるので、その金額を確定申告書に年末の時点で記載するだけでよいので処理が簡単だからです。
しかも、自己申告である以上、利益額が少額で税金の申告が求められないケースでは税金の支払いをせずに済むというメリットがあります。
一般口座
3つ目に紹介するのは一般口座です。
この一般口座を利用した上で利益が発生すると自力で税額の計算から税金の申告までを行うことになります。
つまり発生する売却益の計算はもちろんのこと、分配金の計算や費用の計算までやらなくてはいけません。
その結果として「一般口座」経由で株式投資信託への投資を行う場合、その年度に発生する所得と発生した費用をまずは計算することになります。
そしてその計算額を確定申告用の書類に記載をして、税務署に申告することが求められるのです。
これって結構面倒ですよね。そこで管理人としては税金の申告時の手間を考えると特定口座を利用した上で株式投資信託を購入することをおすすめします。
鍵は委託先のファンドの選び方
実は株式投資信託を購入する際に欠かせないのが株式投資信託を運営するファンド選びに力を入れることです。これは当然といえば当然だと思います。
そこでここではあなたの希望に合う株式投資投資信託を提供しているファンドを見つけるための4つのポイントをまとめてみました。
- 資産クラスをチェックする
- トータルリターンに目を見る
- 手数料の金額
- パッシブかアクティブなのか
ここで取り上げた4つの項目の詳細については上から順番に見ていきます。
資産クラスをチェックする
一口に株式投資信託と言っても株式に投資をする比率が7割のファンドもあれば、1割を切るファンドもあります。
それに金に投資をするファンドもあれば、債券や公社債といったリスクの低い金融商品を中心に運用に取り組むファンドもあります。
要するに各ファンドが標準で定める資産クラスターはバラバラなのです。
こういった各ファンドの運営時の方針の違いを考えると株式投資信託に投資する際には、運営ファンドがどういった資産クラスターを組んでいるのかの確認は欠かせません。
トータルリターンに目を見る
次に取り上げるのはトータルリターンです。
このトータルリターンというのは1年間で発生する利益のパーセンテージであり、分配金と売買益のトータル金額です。
このトータルリターンを考える際に必ず念頭に置きたいのが、配当が多い株式投資信託程、運用益がいまひとつなケースが多いという事実。
どうして「高配当のファンド」程、運用益が低いかというと、配当をすぐに配るファンドは利益がプールされないために、複利運用が非効率になるからです。
つまり、一見すると分配金をすぐに出すファンドは都合の良いように思えますが、分配金だけでファンドの良し悪しを決めるのは得策ではありません。
そこで利用するファンドを選ぶ際には目先の分配金に惑わされず、分配金と運用益のトータルの成績を確認することをおすすめします。
手数料や初期資金額
次に取り上げるのは株式投資信託に投資した際に求められる所要コスト。
実はこのコストは株式投資信託を購入する際に求められる初期投資額と株式投資信託に支払う各種の手数料の2つに大きく分類されます。
まずは前者の初期投資額があなたの予算にあうかどうかをチェックしたいですね。これが合わない株式投資顧問はあなたとの相性が最悪のファンドになります。
そして後者の手数料は低いに越したことがありませんので、信託報酬と売買時の手数料がこちらの基準を下回るか否かの確認をすることをおすすめします。
タイプ | 基準金額 |
---|---|
信託報酬 | 1.5%未満 |
売買手数料 | 2%未満 |
ちなみにここで取り上げた数値を下回る株式投資信託は、手数料の面では非常にお得な銘柄に分類されます。つまり、端的に言えば「お得なファンド」なのです。
その一方で先ほど取り上げた数値を上回るファンドが運営する株式投資信託は、手数料の面ではかなり課題がある銘柄になります。
期待利回りが余程高いのでしたら話は別ですが、投資先としてはあまり魅力的ではないケースがほとんど。
おすすめの公募型のファンドは?
先ほどおすすめのファンドの選び方を取り上げましたが、どのファンドがおすすめのファンドなのかについては取り上げてきませんでした。
そこでここでは管理人がおすすめしたい良質な株式投資信託を提供しているファンドの名前をランキング形式でまとめてみました。
- ニッセイTOPIXインデックスファンド
- eMAXIS Slim 国内株式インデックス
- ひふみプラス
ここで取り上げた3つのファンドの株式投資信託は他の国内ファンドの株式投資信託よりも利回りの面で優れております。
特にランキング1位のニッセイTOPIXインデックスファンドの株式投資信託は、年間ペースの期待利回りが10%を超えておりますので注目に値します。(国内の人気ファンドの平均利回りは3%程度)
そこでもしあなたがおすすめの株式投資信託をお探しでしたら、ニッセイTOPIXインデックスファンドに目をつけたいですね。
実は株式投資信託は損
ここまで株式投資信託という種類の投資商品についてご紹介してきましたが、いかがでしょうか?
これまで株式投資信託の様々な情報をご紹介した管理人が言うのもおかしい話ですが、株式投資信託は実は割に合わない投資商品なのです。
なぜなら株式投資信託は投資信託という種類の投資商品に分類される以上、狙える利回りは高く見積もって5%程度だからです。
しかもこの5%というのはあくまでかなりうまくいったケースであり、大抵の場合は3%程度に収まります。
この点を考えると、今ある資産を増やしたいのでしたらファンドが運営する株式投資信託を利用するのはあまり良い選択にはなりません。
それでは資産を増やしたい人はどうすればよいのでしょうか?
株はプロに任せるのが一番
この点に関しては投資のプロの手を借りて自分で株式投資に取り組むことです。
一般的には株式投資は8割の投資家が負けるゲームと言われていますが、プロの手を借りて株式投資にチャレンジする投資家はほとんど負けません。
ちなみにこの株式投資の世界におけるプロとは何者かというと、おすすめの銘柄から投資サポートまでしてくれる投資顧問となります。
この投資顧問の実態についてはこちらのページでまとめておりますので、よろしければどうぞ。