ご存知だったら申し訳ありませんが、株式投資で利用できる経費は多種多様であり、この費用を上手に使えば税務署に支払う税金額を最小限に減らせます。
もちろんこの話を聞いても株式投資で経費として利用できる費用にはどんなものがあり、株式投資関連の費用の経費申告方法が分からないとこのメリットの享受は不可能。
そこでこのページではファイナンシャル・プランナーの資格を保有している現役の株式投資家の筆者が、株式投資の世界で経費として認められる費用の一覧と経費申請を行う際の手順についてまとめてみました。
このページの目次
株式投資における経費対象項目
そもそもの話になりますが、便利な経費申請を使うためには株式投資では何が経費として認められるのかを把握することが欠かせません。
そこで株式投資関連の諸費用の中で経費として通常認められる項目を一覧にしてみました。
- 株の売買に利用するオフィス代
- トレード用に購入したパソコン代
- 通信費
- 株式投資関連のセミナー代
- 書籍代
- 株式投資仲間との懇親会の費用
- その他の株式投資関連費用
この一覧項目から言えることは、株式投資で経費計上が認められる費用は株式投資に取り組む際に必要になるコストに限定されることです。
つまり、ここで取り上げた項目に該当しないものであっても、「株式投資で利益を出すためには必要」と税務署が認めた費用に関しては原則として全て経費にできます。
この話を聞くと経費って凄いな・・・と思うかも知れませんが、この話のポイントは「税務署に認められる必要がある」という点です。
この点を考慮すると、経費として認められるかどうかは税務署に経費申請書類を出し、お役所側に「これは株式投資の経費になるよね」と判断してもらうひと手間が必要になります。
費用申請には確定申告が必須
実は株式投資で発生する経費を申請するにはこの見出しにあるように自分で経費額を計算し、確定申告を自分で行う手間が発生します。
なぜなら多くの人が利用する「特定口座型の証券口座」の場合、証券会社が自動で口座内で発生する利益額を計算してくれますが、その中にはあなたが使った株式投資周りのコストが記載されていないからです。
つまり、株式投資で経費申請をするには、その年度で発生した株式投資周りのコスト額を全て把握し、その額を自分で確定申告用の書類に記載することが求められます。
ちなみに確定申告の申請書類に記載が求められる主な項目はこちらの通りです。
- 株式投資で発生した利益
- 経費申請を行う額
- 1から2を引いた課税対象額
なお、経費申請額に関しては、確定申告書類を提出した後に税務署の職員から確認の電話が来ることがあります。この確認が取れない場合は、経費申請が認められないばかりか、虚偽申告として捉えられるリスクがあります。
このリスクを考えると株式投資で経費申請をする際には申請した金額が記載された領収書やレシートの保管が欠かせません。
よく抱かれる疑問一覧
ここまでの内容に目を通したあなたは、株式投資の経費申請手順と株式投資において経費として申請可能な費用にはどんなものがあるのかなんとなくわかったと思います。
ただし、ここでポイントになるのは経費申請の手順が分かるのと経費申請をきちんと行えるのは全くの別物である点。
そこでここでは株式投資の世界で非常に便利な経費申請を利用する際に絶対に押さえておきたいポイントをQA形式でご紹介します。ちなみに今回QA形式で取り上げる項目はこちらの通りです。
- 前年度以前の経費の扱い方
- 領収書がない場合の申告方法
- 会社の設立メリット
- 譲渡所得適応時の経費対象科目
ここで取り上げた各項目の内容については上から順番にご紹介します。
前年度以前の経費の扱い方
株式投資周りの経費申請をする際に誰もが気にするポイントの1つに昨年度以前に発生した諸費用の経費申請の可否です。
これはどういうことかというと2018年現在において、2016年や2015年の時に使用した所要コストを経費申請できるかどうかということです。
この点に関しては原則として可能です。
なぜなら、仮に確定申告を既にしていれば、追加で申告すればよいからです。また確定申告自体をしていなければ自己申告をすればよいので、経費の追加申請は非常に簡単。
ただし、こちらに関しても確定申告の修正や次年度以降の申告を認めるかは税務署の判断になるので、税務署への確認は必須。
領収書がない場合の対処策とは?
次に取り上げるのは、株式投資周りで発生した費用を経費申請する際に費用の発生を証明する領収書が手元になくても経費申請ができるのかという点です。
こちらに関しては、非常にグレーですが領収書がなくても原則として経費申請は可能です。
なぜなら確定申告の際には支払項目の領収書やレシートの提出は求められないからです。なので、領収書が無くても費用として発生しているのでしたらとりあえず申告してみることをおすすめします。
ただし、後日経費申請した項目の領収書の提出などが求められる可能性がある以上、あくまで自己判断でお願いします。
会社設立のメリットはあるのか?
実は株式投資で利用可能な経費申請科目は原則として個人よりも法人の方が広いです。
このことから会社を設立して事業化して株式投資に取り組んだ方がお得なのでは?と疑問に思う人は少なからずいます。
この点に関してはケースバイケースなので一概には言えませんが、株式投資で大きな利益が出ていないのであれば、会社設立を控えるのが無難です。
なぜなら、会社を立ち上げる場合、諸々のコストが発生するからです。
このコストを考えると経費申請の幅が広がっても結果として個人として株式投資に取り組んだ方がお得だった・・・なんてケースは容易に起こり得ます。
この点を考えると事業化するに値する範囲の利益(年間で500万円以上)が株式投資で発生していないのでしたら会社を設立するのはデメリットが大きいと考えることをおすすめします。
譲渡所得の際はどうなるのか?
株式投資で発生した利益は雑所得と譲渡所得のどちらに分類されるかで経費申請科目が変わります。
この経費申請科目の話に入りますと、これまで紹介してきた経費関連の諸ルールは株式投資で発生した利益を譲渡所得ではなく、雑所得としてカウントしたケースでの話です。
それでは株式投資で発生した利益を譲渡所得として計上すると何が経費対象になるかというと、原則としては売買時の手数料だけ。
つまり、これまでご紹介してきたような株式投資関連の書籍代やセミナーの参加費は、譲渡所得適用時には経費の対象にならないのです。
ちなみに今回取り上げた株式投資の利益を譲渡所得に計上した際の諸ルールについては、こちらでご紹介します国税局の公式サイトでまとめられております。
何あれば税金のプロに聞く
ここまでの内容を押さえれば株式投資で重要な経費関連の基本はばっちり。
しかし、ここで問題になるのは今回取り上げたケースはあくまで株式投資にまつわる経費処理の原則的なケースであることです。つまり、例外ケースもあります。
例えば本来であれば株式投資では経費申請ができない家賃も例外的に申請が認められるケースもあります。
このことを考えると「これって経費として認められるの?」と思いましたら、税金関係のプロの意見をもらうのが一番です。
この税金関係のプロの意見をもらう際に利用をしておきたいのが、税務署の職員と税理士さんです。
まず前者の税務事務所の職員の方には電話をかければ無料で相談が出来ます。この相談サービスを使えば、ある程度の疑問が解決できるでしょう。
そして後者の税理士はまさに税金関係のプロです。彼等に相談をするとお金がかかりますが、最適な節税方法を教えてくれるので万全の税金対策をしたいのでしたら利用しない手はありません。
ちなみにこのページでは株式投資の経費関係に特集しましたが、経費以外を利用した株式投資における節税対策については特に取り上げてきませんでした。
そこでもしあなたが経費以外を活用した株式投資の節税対策方法が気になるのでしたらこちらのページをどうぞ。
⇒節税周りの特集ページはこちら