株式投資の成功に資格が役に立つのかどうか気にならないでしょうか?
実はこの点に関しては「必ず役に立つ」とは言い切れませんが、「適切な資格の勉強に取り組むことは、自ずと株式投資の勝率が高まる」という結論になります。
なぜこう言い切れるかというと、現在の日本では株式投資の成功に欠かせない財務諸表の読み取りが問われる資格はたくさんあるからです。
当然のことながら、そういった類の資格取得勉強に取り組めば自ずと株式投資の勝率向上に繋がります。
ただし、いくら「適切な資格の勉強は株式投資の役に立つ」と言っても、どの程度役に立つのかは各資格でバラバラ。つまり勉強対象の選定が欠かせないのです。
そこでこのページでは株式投資に役立つ資格の中で特におすすめの4種類の資格名・試験範囲・取得に要する目安勉強時間等についてまとめてみました。
最後まで目を通せばどの資格の取得を目指すのが株式投資に最も役に立つのかが分かります。
このページの目次
4つの株式投資に役立つ資格
まずはじめに今回取り上げる4種類の資格の名前と資格取得に要する勉強時間の目安を一覧にしてみました。
資格名 | 学習時間 (目安) |
---|---|
簿記2級 | 200時間 |
証券外務委員1級 | 100時間 |
証券アナリスト | 1500時間 |
Kabu検 | 50時間 |
ここで勉強時間の目安を取り上げた4種類の資格の詳細については上から順番にご紹介します。
日商簿記2級
まず最初に取り上げる資格は、ビジネスマンに人気がある簿記2級。
この簿記2級という資格の勉強をすれば一般的な企業の経理職に求められるレベルの財務分析を行えるようになります。
そんな一般的な企業の経理マン並みの財務分析力が身につく簿記2級の試験で問われる内容はこちらの通り。
学べる範囲と所要時間
- 損益計算書の作成手順
- 貸借諸表の作成手順
- 基本的な仕分け
- 簡易的な損益シミュレーション
つまり、ここで取り上げた内容を押さえれば、一見すると何が書かれているかよくわからない財務諸表が読めるようになるのです。
しかも株式投資に役立つ簿記2級は、資格取得に要する勉強時間も200時間程度で済むので、隙間時間や土日の学習だけでも2ヶ月程度で取得が可能。
勉強時間の手間はそこまでかからない上に簿記2級の取得は転職活動や会社内の昇進にも役立つので、株式投資以外の面においても役立ちます。
ネックは学習範囲
株式投資の役に立つ簿記2級の課題をあげるとすると、学習範囲がやや狭い点。
現に簿記2級では株式投資に取り組む際に欠かせないPER・PBRといった指標数値や連結財務諸表は試験の対象外となっています。
つまり、あくまで簡易的な財務諸表の読解に特化した試験範囲になっているのです。
この点を考えると簿記2級は株式投資に欠かせない財務諸表を読むためには有効とはいえ、簿記2級では株式投資で押さえなくてはいけない一部の分野の知識しか学べません。
この課題が気になるのでしたら、次に紹介するKabu検の取得に着手することをおすすめします。
Kabu検(SBI)
ここで取り上げるKabu検というのは、SBI証券が実施している株式投資の理解度を示す検定資格です。
この資格検定は、初級・中級・上級という3種類の試験となっており、各ランクの試験で問われる内容はこちらの通り。
ランク | 主な学習範囲 |
---|---|
初級 | 株式投資のルール 銘柄の売買のリスク チャートの読み方 主な投資スタイル 取引手数料と税金制度 |
中級 | マーケット分析のコツ 株式相場の変動要因 銘柄分析のやり方 テクニカル分析方法 バリュー投資手法 |
上級 | 外国株式の始め方 信用取引のやり方 財務分析方法 経済指標の分析方法 ポートフォリオ作成術 |
この一覧表でまとめたKabu検の各クラスの資格内容の詳細については初級から順番にご紹介します。
初級
最初に取り上げるKabu検の初級は、株式投資の基本が試験範囲になっている資格となっています。
この初級で問われる内容は株式投資の基本的なルールや税金処理といった、株式投資に取り組む投資家が必ず押さえなくてはいけない諸項目です。
こちらが資格試験で問われる以上、 Kabu検の初級に受かれば株式投資の基本的なルールを全て理解したことになります。
中級
次に取り上げるKabu検の中級は、株式投資周りの諸分析が問われる資格試験です。
この中級の試験では基本的なテクニカル分析や銘柄分析が問われる以上、中級に合格をすれば株式投資周りの基本的な分析術をマスターしたことになります。
どうしても株式投資周りの分析術は自己流になりがちなので、きちんとしたカリキュラムに基づいて学べるKabu検の中級は注目に値します。
上級
最後に取り上げるのは株式投資の基本知識を問うKabu検という資格の上級編です。
この上級編では、外国株式の始め方や信用取引のやり方といった株式投資周りの応用的な分野の理解度が問われます。
普通に株式投資に取り組んでいればこういった分野を学ぶことはないので、株式投資の上級者になりたいのでしたら利用しない手はありません。
証券アナリスト
3つ目にご紹介する資格は証券アナリスト。
この証券アナリストといのは、財務分析や株式分析が試験科目になっている金融のプロフェッショナル向けの資格です。
資格取得の難易度は非常に高いので、持っているだけで財務分析のプロと評価してもらえます。
そのような特徴を持つ証券アナリストの資格試験で問われる分野はこちらの通りです。
- 証券分析
- 財務諸表分析
- マクロ経済学
- ミクロ経済学
- 会計学
- 個別銘柄分析
これらは全て株式投資と関係しております。なので、証券アナリストの資格を取れるくらい勉強すれば株式投資周りの理論は基本的にばっちりと言えます。
証券アナリスト=株のプロ
実は証券アナリストという資格は全資格の中でトップクラスに難易度が高い資格となっております。
そのため、証券会社の社員の中でもこのメガ資格を保有している人は5%程度と言われております。
つまり、仮にあなたが証券アナリストの資格を取得した場合、銘柄分析に関しては証券会社の9割の社員よりも秀でた水準になったことになります。
ネックは難易度
株式投資周りの全般的な知識が身につく証券アナリストの唯一の課題は難易度。
実は証券アナリストに合格するために必要になる勉強時間は1,500時間~2,000時間と言われており、所要勉強時間は税理士と変わりません。
要するに取りたいと思っても誰もが簡単に取れる資格ではないのです。この難易度の高さから管理人としては「株式投資のためにわざわざ取る価値はないのでは?」と思います。
証券外務員
4つ目に取り上げる株式投資に役立つ資格は証券外務員1級。
この証券外務員1級というのは、証券会社の営業担当者を対象にした資格であり、こういった分野の理解が資格試験では問われます。
- 経済・金融の世界の常識
- 金融商品周りの法律
- 証券市場周りの諸情報
- 株式市場周りの諸知識
- 各種証券の証言業務の諸知識
ここで取り上げた内容は株式投資には直結しない内容も多いですが、金融や証券市場の全体像を学べるので金融リテラシーが上がります。
しかも試験で問われる分野は証券会社の営業マンに求められる基本的な知識である以上、資格を取得すれば証券会社の社員と同じ視点で株式市場を見通すことも可能です。
金融や証券業務の全体像が学べる資格なので、先ほど取り上げた財務分析に役立つ資格と合わせて取得することをおすすめします。
株式投資にはKabu検が一番
ここまで株式投資に役立つ4種類の資格を紹介してきましたが、どれが一番株式投資の役に立つのかについては触れてこなかったと思います。
そこでこの「最も役に立つ資格はどれなのか?」という点に触れますと、SBIが提供しているKabu検という結論になります。
どうしてKabu検が最も株式投資の役に立つ資格かというと、試験範囲に株式投資と無関係の項目がないからです。
現にKabu検の試験問題では、株式投資関連の知識以外は原則として問題に出ません。要するに株式投資に直接的には関係のない、経済学や金融や法律といった分野の勉強をする手間を省けるのです。
そのため、資格勉強を通して株式投資の知識を得たい人には願ったり叶ったりの資格になるのです。
座学よりも実践のすすめ
「理論と実践は違う」という言葉を一度は耳にしたことはあるかと思いますが、この言葉は株式投資の世界でも成り立ちます。
どういうことかというと資格試験は理論しか学べない以上、いくら資格勉強をしても株式投資に勝てる保証は一切ないのです。
しかも驚愕の事実を申し上げますと、株式投資の成功者の8割以上は今回取り上げた株式投資に役立つ資格を保有しておりません。
この点を考えると株式投資で勝ちたいのでしたら、資格の勉強よりももっと優先するべきことがあると言えます。
その典型的なものとしては自己資金で銘柄の売買を何度も繰り返すことです。
実は株式投資の世界では理論では説明できない状況が良く起こるので、理論通りのトレードをするのはかなりリスクがあります。
この点を考えると株式投資で勝ちたいのでしたら、株の売買の頻度を増やすのが一番という結論になります。
株の売買の頻度を増やすために欠かせないのが、株式投資用の口座を開設することです。
そこでもしまだ株式投資用の口座を開設していないのでしたらこちらのページを参考にまずは口座を開設した上で実トレードに取り組むことをおすすめします。
ちなみにもしあなたが既に株式投資用の口座を開設しているのでしたら、これから紹介するページを参考に実トレードの頻度を増やすのが一番です。