オプション取引は通常の株式売買と違い、証拠金という制度を利用して実際の取引金額よりも大きな金額を取引することで、通常よりも大きな収益を目指す取引です。
そのため、手元利に資金が大量にはない投資家(自己資金300万円程度)の方でも参加しやすい投資の一つであるといえます。
しかしその反面、取引手法を間違えると通常の株式取引よりも大きな損失が出る可能性もあります。
そんな中でオプション取引に取り組んでいる投資家は、年間でどの程度の利益を期待しながら相場と向き合っているのでしょうか?
この疑問にお答えするために今回はオプション取引を行っている投資家が年利回りどの程度で運用しているのか、また損失リスクはどの程度なのかについて解説していきます。
このページの目次
本当にオプション取引は稼げるの?
オプション取引で売買取引を行っている投資家は、月単位での利益を追求している投資家が多いです。
月単位で収益を出せるのはオプション取引のメリットであり、限月があるため結果が出やすいです。
さらに通常の株式売買であれば上昇のみの利益獲得機会になり、基本的な証拠金取引(先物取引)などであれば上昇か下落のどちらかを的中させることで収益を獲得しますので利益は出しやすいです。
もちろんオプション取引は証拠金取引を採用している以上、リスク回避も非常に重要な取引でもあるので、大きくかけることは禁物です。
月3パーセントが1つの目安
以上のことを踏まえたうえで、およそ月単位で自己資金の3%程度(300万円なら10万円)ぐらいを恒常的に収益として獲得することを目指して取引を行っています。
月単位で3%であれば年間で36%程度の収益の獲得が可能になります。リスク管理を行ったうえでの収益であるので、期待利益としては300万円の自己資金でおよそ100万円程度を目標とするケースが多いです。
期待損失は「原則」として限定的
反対に、想定される損失はどれほどのものか、という疑問が残ると思います。
この損失の場合もオプション取引は通常株式や先物取引とは違い、値動きがそのまま直接的に収益に影響を及ぼすまでには一定のタイムラグが発生します。
それに加えてオプションの買い手には必ずプレミアムの支払いという動作が発生します。
こちらは相場が逆方向に進行した場合に権利を放棄することも可能である以上、オプション取引の買い手が想定以上の損失を被ることはほぼありません。
要するに買いでは、発生する損失は支払ったプレミアム分に収まる以上、それ以上の損失が出ないという意味では、非常にリスク管理に大きなメリットがあります。
売りの最大損失額にはご注意を
しかしオプション取引の手法として、売り手も存在します。実は売り手は買い手と反対のリスクと利益構造なので、損失を被った際の保険が何もない状況となります、
そのため予想とはずれるとどんどん損失が増えてしまう可能性があります。そこで売りを利用する際は、月間ベースでの最大損失額の範囲を投下資金の3%程度に抑えながらオプション取引と関わることをおすすめします。
このルールで行けば年間ですべて損失であったとしても年間で36%の損失で済みます。
この36%という損失は決して小さくはありませんが、挽回が可能な水準ではあります。このように挽回可能な水準で何度もチャレンジする姿勢はオプション投資で儲けるには欠かせません。
またそもそもの話になりますが、投資活動の世界では100%手法(絶対勝てる手法)は存在しないという事実があります。
これらの点を考慮すると、オプション取引で稼ぐ際に必須な点として資金管理とリスク回避を考えながら狙ったポジション取りを繰り返すこと、があげられます。
王道の儲け方とは?
オプション取引に限らず金融商品の取引の世界では常に現在と未来への期待感のせめぎあいが発生します。
そしてそのギャップが大きいほどに相場は大きく変動し、ギャップが小さくなるにつれて変動も小さくなっていく傾向があります。
そのため、過去の実績を参考にして、「このイベントであればこれぐらいのインパクトがある」ということを予想してもあまり意味はありません。
またそれと同様にこれぐらいのことではそんなに意味はないだろうといった評価を下したりするのは大変危険な行為になります。
この前提があった上での話になりますが、オプション取引で収益を獲得する際の王道の儲け方とは一体何なのでしょうか?
最大の鍵はリスクマネジメント
実はこの「王道の儲け方」にはいくつか種類があります。その中でも王道中の王道の儲け方の一つとして挙げられるのがリスクとの向き合い方を工夫することがあげられます。
これは他のどの金融商品でも同じことが言えますが、特にオプション取引の場合は損失をコントロールできる手段やタイミングが多いので本当に頭を使います。
ちなみにオプション取引以外の大半の金融商品であれば損失回避の方法は素早い損切りくらいしかありません。そしてこれが遅れてしまうと時間の経過に伴い、損失がどんどん拡大していくことになります。
こうなってしまってはもう止めようがなく、そのまま損失を受け止めるしかありません。この点を考えると普通の投資商品では事前のリスクマネジメントは非常に難しいのです。
実はリスクコントロールは簡単
その一方でオプション取引のポートフォリオでは、オプションの買いがメインとなっていればの話になりますが、総じてリスクコントロールは難しくはありません。
ただし、売りオプションを大量保有するといったポートフォリオのなっている場合は、かなりの注意が必要になるのでその点はご注意を。
また、相場の機を読むということも非常に重要な要素の一つになるので、そこは心掛けたいですね。
逆にこの二つのことを守れば総じて大損する確率よりも、儲ける可能性のほうが高くなる傾向にあります。
つまり、「売りの大量保有を避ける事」と「相場の機を読む」はオプション取引における2大ポイントになるのです。
オプション取引におけるNG行為
ここまでオプション取引における王道の儲け方についてはご紹介しましたが、「オプション取引でやってはいけないこと」については特に触れてきませんでした。
そこでここからはオプション取引の世界で絶対にやってはいけない行為をご紹介していきます。
ダメな事1:レバレッジの過剰利用
オプション取引ではリスクコントロールをすることが非常に重要であるということは先ほど解説しました。
そしてこのリスクコントロールの中でも最も短絡的に損失が出てしまう可能性があるのがレバレッジの過剰利用です。
現にオプション取引の世界でレバレッジをかけすぎると、1回の失敗で資金を失ってしまう可能性があります。つまり100回取引して99連勝しても、1回の失敗で全ての利益が飛んでしまうのです。
このような非常に危険な状況に自分を追い込まないようにするためにも、オプション取引ではレバレッジのかけすぎにはくれぐれも注意しましょう。
ダメな事2:資金管理をしない
オプション取引においてもう1点やってはいけないことは、自分の資金を管理しないことです。
実はこの資金管理というのは先ほどのレバレッジと同じように感じるかもしれませんが、オプション取引の世界では資金管理はレバレッジ管理よりもになります。
現にオプション取引をはじめ、収益が上がるにつれて、自分がどれほどの取引をしているのかわからなくなってしまうことがあります。
そうなると取引ごとに扱うポジションが大きくなり、自分の中で管理できていない状況を作り出してしまうため、いつの間にか大きな損失が発生することは普通に起こりえます。
しかも成功体験がある分、取引を行っている間は損失が発生していることに気が付かずに放置し続け、気づいた時には地獄を見てしまう・・・なんてことも考えられます。
こうならないためにも、資金管理を行う必要があります。
勝てる相場と危険な相場の見極め方
オプション取引に限らず、金融商品を取引する際は相場観を考えながら、相場に参加するタイミングが非常に重要になります。
現にこの相場観さえ当たれば、どんなにハイリスクであっても、どれだけ資金配分をしていなくとも、勝てるときは勝ててしまうという実情があります。
そこでここからは他の金融商品と同様にオプション取引の世界でも相場の見極めが欠かせない、という点を前提に相場と上手に向き合うコツについて考えてみます。
周りが挑戦する時ほど慎重に
初心者が最もはまりやすい相場というのは、大きく上昇している途中の相場です。
こういった場合に初心者の方がとる手法として多いのは、上昇基調に伴ってのコールの買い、または上昇が終了することを予測してのプットの売り。
もちろん初めのうちはこういった手法でも利益は狙えます。しかし、こういった誰でもエントリーを考える相場では、離脱のタイミングを間違えると損失につながります。
現に相場の世界には過熱感というものがあります。つまりオプション取引に参加している投資家の熱が高ければ高いほど相場の変動が大きくなります。
したがって、皆がエントリーするようなタイミングを狙う場合、オプション取引では大きな相場の変動に見舞われる恐れがある、という認識を持ち続けることをおすすめします。
勝負すべき時と避けるべき時
もちろん相場が大きく動くということは、チャンスでもあります。その値動きを機微に捉えることができれば、とんでもない収益になることは間違いありません。
しかしその反対もしかりであり、繰り返し相場にチャレンジすることで、繰り返しの損失を被ってしまう可能性もあります。
そしてこのような事態が起こってしまってはオプション取引自体が投資ではなく、ギャンブルになりますので注意が必要です。
こういった点を考えると勝ちやすい相場というのは投資熱が比較的穏やかで、連続的に利益を積み重ねやすい状況になります。
反対に負けやすい相場とは、好材料も悪材料もそろっていて相場への関心や期待度が高く、多くの方が参加するタイミングです。こういったタイミングには大きな落とし穴が眠っていることを肝に銘じておくといいでしょう。
結局儲けるためにやる事とは?
ここまでの内容のまとめになりますが、オプション取引で儲けるために重要なことはそれほど多くはありません。
現にオプション取引の仕組みや、オプション取引の原則を知らなくても儲け方さえ理解しておけばオプション取引で利益を出せるのです。
そしてオプション取引の儲け方を考える際に鍵になるのはこちらの4点。
- 資金管理を徹底する
- リスクを回避する仕法を取得する
- 相場状況を見極めてエントリーする
- 上の3つをひらすら繰り返す
意外と簡単そうに思えないでしょうか?
もちろん文字にすると非常に簡単なことように思えても、実際にオプション取引をやった経験があるのでしたら1~4を繰り返すのが難しいのはお分かりのはず。
ただし、その点を念頭に入れてもオプション取引で儲けるためには小手先のテクニックよりも基本に忠実になるのが重要です。
特に期待利益と期待損失の大きさをしっかりと管理し、危険なタイミングはおとなしくして時期を待つ、という行為が欠かせません。
逆にこれさえできればせっかくの資金を無駄にせず、大きく稼ぐことができるので、事実上のオプション取引の儲け方といっても過言ではないのです。
最後にこのページに目を通された方に人気があるオプション取引で億万長者になる方法についてまとめているページをご紹介しますので、是非とも目を通してみてくださいね。