他の投資商品にはないオプション取引の持ち味
他の投資商品と比べてオプション取引にはどんなメリットとデメリットがあるのか気にならないでしょうか?
特に他の投資商品と比べてリスクは高いのか低いのか、そして他の金融商品と比べると利回りはどうなっているのか、といった損益面でのメリット・デメリットは是非とも押さえておきたいところだと思います。
ですが、オプション取引は日本ではまだまだ馴染みの薄い投資商品なのでメリットとデメリットについてはあまり良く理解されておりません。
それに一見するとオプション取引は小難しいのでメリット・デメリットはもとより、いまひとつルールについても押さえられていないこともあるかもしれません。
そこでこのページでは国内の投資家の注目を集めつつあるオプション取引のメリットとデメリットについて現役のオプショントレーダーである管理人が徹底解説します。
このページの目次
オプション取引の主なメリット一覧
まずはじめに今回の一番の本題であるオプション取引にはどんなメリットがあるのかについて考えてみます。
そのためにもここでは他の投資商品には見受けられないオプション取引ならではの代表的なメリット(持ち味)についてまとめみました。
- レバレッジが使える
- どんな相場でも利益を狙える
- 期待損益を自由にコントロールできる
ここで取り上げたこちらの3つのメリットの詳細については上から順番にご紹介します。
レバレッジが使える
オプション取引の特徴として最初に挙げられることは、レバレッジ取引が有効であるという点です。
そもそもレバレッジ取引というのは、てこの原理のように少額の資金をもとにしてより大きな規模の取引に取り組める構造を持つ取引です。
つまり取引に取り組む際に用意することになる元本を少なく抑えられるので、普通の株式投資や投資信託に比べて投資効率がはるかに高いという特性が見受けられます。
しかもレバレッジを利用すれば小さな値動きであったとしても、巨額の利益の発生に繋がります。このことは投資家にとって大きなメリットといえます。
なお、オプション取引でレバレッジ効果を最大化させるコツやレバレッジとは何かについては以下のページでまとめているので、ぜひご覧くださいませ。
どんな相場でも利益を狙える
オプション取引においては相場の上昇、下落のどちらの状況においても収益を狙うことが可能になります。
それに相場が膠着状態にあっても収益を出せる(プレミアムの受け取りによる)という特徴もあります。つまり、相場が(上昇、下落、膠着)という3種類のどの動きをしていても収益の発生が期待できるのです。
これは「買う⇒売る」という構造上、上がり相場でした利益を出すことができない投資信託をはじめとした大多数の金融商品には見受けられないユニークなポイントになります。
期待損益をコントロールできる
オプション取引のメリットとして挙げられることの一つにプレミアムという収益があります。
実際に取引に取り組んでいる際にはこの収益を余剰金に加えて取引を更に進めることもできます。つまり、収益が発生するたびに期待利益を拡大させた攻めの取引を行えるのです。
反対に取引にかかる期待収益を下げることによって、ある程度ではありますがリスクを下げることができます。
もっとも簡単なものは取引枚数を減らすことによって余剰金を増やす方法ですが、それ以外にも期待損失を減らす方法もあります。
このように取引の方法や種類によってはリスク並びに期待収益額をコントロールできるのです。これは他の投資にはないオプション取引の大きなメリットです。
逆にどんなデメリットがあるのか?
オプション取引には様々なメリットがありますが、投資家にメリットであることは同時にリスクを高める行動でもあることを忘れてはなりません。
したがって不用意なリスクを背負わないためにもオプション取引に関わる際にはオプション取引にはどんなデメリットがあるのかを把握することが欠かせません。
そこでここではオプション取引の代表的なデメリットをまとめてみました。
- 難易度が高い
- 売り手の場合はリスクが大きい
- まとまった資金が必要
ここで一覧にしたオプション取引のデメリットの詳細については上から順番にご紹介します。
難易度が高い
オプション取引の特徴として、取引の種類が多いこと、取れる戦略が多いことがあげられます。
しかしこれは逆に言うと難易度の高さを意味するので初心者の投資家にとっては、それがデメリットになることもあります。
現に初心者のうちは相場の予測や取引の種類、戦略の効果などが良く分からないものなので取れる選択肢が多いと何をすればよいのかわからなくなることも十分に考えられます。
これらは取引で取れる選択肢が少なければ起こることはありませんが、多彩な選択肢が取れるオプション取引では十分に起こりえるので注意が必要です。
売り手の場合はリスクが大きい
オプション取引のメリットとして取引の種類が多く、上昇・下落・膠着のどの状態でも取引を行い収益化させられるとお話ししました。
ただし、ここで念頭に置いておきたいのは買いオプションと売りオプションではリスクが異なる点。
現に買いオプションの場合は相場が予想した方向に動かない限り、収益になることはありません。
しかも買いオプションの場合はプレミアムという資金を支払わなければならないため、実質的にはマイナスな状況からスタートすることになります。
しかし、買いオプションの投資家にはそれが最大のリスクになるので、リスクはそれほど大きくはありません。
その一方で売りオプションを扱う投資家の最大の収益額はプレミアム分の金額になる以上、相場の変動によって増加することはありません。
しかも予想外の方向に移動した際は損失が無限大というリスクを背負っている状況となります。
そのため売りのみのオプション取引のポジション(裸売りといいます)をとるのは危険です。実際にそれを行った上で損失を出すと、決済時に逃げられない性格も相まって、かなりリスクの高い取引になります。
これを知らずに売りを中心にオプション取引と関わると大変な目に遭いかねませんのでオプション取引に取り組む際には売りの危険性を念頭に置くことをおすすめします。
まとまった資金が必要
オプション取引デメリットとして挙げられることは少ないですが、実際にとり引きを行う際には証拠金という決められた金額以上を預託しないと取引が始められません。
事実、実際に取引を行う際には最低でも100万円以上の資金を用意するのが望ましいので、会社員の持ち株会や、ミニ株投資、NISAなどのように本当の少額(1000円とか、10万円)から着手するのは不可能です。
そのため取引開始時においてある程度まとまった資金が重要であり、その資金を持って投資を行わないと過剰なレバレッジを利用する必要はありません。
つまりオプション取引は他の投資と比べると元手が必要なのです。この初期資金の負担の大きさはオプション取引の明らかなデメリットといえます。
相性が分かれる投資商品
ここまでの内容でオプション取引は、戦略の幅が実はかなり広いということが理解できたと思います。
しかしながら、取引を行う際には資金をねん出して本当にそれに見合った投資結果が回収できるかというと、性格やスタイルによってはそれが難しいこともあります。
相性の良い投資家
オプション取引は株式投資や債券投資と比べると損失と収益の差が大きいので、1回の取引の結果に一喜一憂しないような姿勢が求められます。
つまり、目先の結果に囚われすぎずに冷静に相場と向き合える投資家のほうがオプション取引に向いています。
また損失が発生した際に、潔く損切りができる性格であるかも重要になります。
相性が悪い投資家とは?
反対に長期的に保有して、何年も先を期待して投資に取り組む「コツコツ型」の投資を志向する投資家には向きません。
現にオプション取引には決済期限があるため、どんなにでも長く保有することはできず、超長期的な投資を行う投資家にはロールオーバーが必要なことはデメリットでしかありません。
したがって、オプション取引で結果を出すためには戦略を思い切りよくかけること、損切りを明確にすること、決済期限より先に決済をすることが重要になります。
そしてそれが出来る投資家はオプション取引と相性が良いのです。逆にいえばそれが出来ない投資家とオプション取引の相性はいまひとつ、という結果になります。
リスクに気を配ればかなりあり
オプション取引は何も考えずに投資をするとしたら、非常にリスクの高い取引です。その一方でリスク管理を問題なく行える投資家にとっては、非常にお得な投資商品です。
したがってオプション取引と関わる際には戦略への理解と同様にリスク回避についても理解を深めておかないといけません。
リスク管理と戦略についての理解が深まれば、非常に投資効率の良い商品としてメリットを存分に生かして株式投資や投資信託以上の利益を出すことができます。
それだけオプション取引への投資において重要になるオプション取引のリスク管理術のヒントについては以下のページでまとめておりますので、ご興味があればぜひ目を通してみてくださいね。